PlanT lab. Vol.3 「東京郊外のこれからを考える」 レポート

産業の種を見つけ、育てていくことを目指すこの地域連携型インキュベーション施設に、様々な分野で活躍する方々をお招きして、トークセッションやワークショップ、海外のプラットフォームイベントを実施しそこからの体験を通してそれぞれのアイディアを形にしていくソーシャル実験プログラム【PlanT lab(プラント・ラボ)】。

第3回は、ちよだプラットフォームスクエアをはじめ、数々のプラットフォームを先駆し産み出し続けている地域協働推進機構の藤倉潤一郎さんと、様々な地域で起業塾を開き、起業支援を行っている佐々木博さんのお二人をお呼びし、それぞれの観点からここPlanTがある東京郊外のこれからを考える機会となりました。

藤倉さんは所沢市にて「所沢ノード」という拠点を創り、様々なアプローチで住民の創業を培うプラットフォームを実践中。今回はそもそもどこにでも存在する「コミュニティ」を読み解く話をしてくださいました。

時は人類が生れ活動をしていた紀元前までさかのぼり、このころは血縁という高度な信頼をベースにした家族・部族集団、ここから村落共同体(農村社会)への発展、市場経済の誕生による商業を中心とした都市的コミュニティが生まれ、行政や起業などシステムが行動に発達してきた現代までの変遷を眺めてみると、今の日本社会やこれからの経済的、必然性のあるコミュニティとは何か?ということを投げかけてくれました。

10~30万人単位の自治体がこれから自ら生き抜いていくには、システムによって抑圧されてきた創造性を発揮して、新しい考えに基づく行政/社会システムを構築する必要があるという風に藤倉さんは話していました。

 

その一方、次に話した佐々木さんは、それを具体的に投げかけてくれたような内容でした。

自身が東京から熊本へ移住しそのあとは奈良県へということで「マルチハビテーション(2拠点・多拠点居住)」という概念を話してくれました。

シェア系の居住空間で生活をしてきた経験のある佐々木さんは、そこで起きたシェアし合えるストーリーを元にこれからのコミュニティの在り方のヒントを探ってきました。

それはお金が中心の経済から、学ぶ、仕事をする、暮らす、という3つの概念を人それぞれが持っているものをシェアすることでコミュニティが機能していく「シェアリングエコノミー」を佐々木さんは実践してみたいと話します。

「多くの人が協調し助け合い、元気に幸せに自分の好きを大切に活きていける社会を創る」というビジョンを参加者のみなさんへ投げかけました。

東京郊外の特徴は、都心ほど人口密度が高くなく、自然にも近く経済圏としても機能しています。このエリアの価値を高め変えていくには、住民のひとりひとりの行動がどう変わっていくかで変化の度合いが変わっていきます。藤倉さんと佐々木さんはその現象を創り上げる・支援する立場ですので、とても強いメッセージでした。

参加者の皆さんとのディスカッションもとても熱がこもっていました。どの場所でも同じ問いを持っているので、より多く人がその問いに向き合って行動をする時間を過ごせることが二人の楽しみでもあるそうです。

ここPlanTも、そういう場所になっていくために今回は多くのヒントを得ることができました!

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PlanT lab. Vol.3 「東京郊外のこれからを考える」

2016年2月20日実施