産業の種を見つけ、育てていくことを目指すこの地域連携型インキュベーション施設に、様々な分野で活躍する方々をお招きして、トークセッションやワークショップ、海外のプラットフォームイベントを実施しそこからの体験を通してそれぞれのアイディアを形にしていくソーシャル実験プログラム【PlanT lab(プラント・ラボ)】。
第4回は、島根県津和野町を筆頭に、地方で「首長付」として学生や社会人が地域課題に本気で取り組む事業を展開しているFounding Baseの佐々木さんと林さんにお越しいただきました。
共同代表としての二人それぞれの観点から、Foudingbaseの取り組みの中で得てきた地方の可能性というのを話していただきました。
「ワクワクする社会を、いま、ここから」というスローガンを掲げているFoundingbaseは、地方自治体へ人材と事業支援をしている企業。という紹介をするとよくあるようなコンサル会社のように聞こえるのですが、彼らの事業手法はかなり個性的です。
彼らの着眼点は、若い世代が地元に魅力を感じ、かつ自治体の経済力がつかない限りは、人口減少が課題である地方自治体へのUターンやIターンを生み出せないと考えています。
今までにない仕組みを自治体と連携して生み出し、人材の成長と街の発展の両方を実践するために、多くの学生と社会人を都市から地方に向けて「キーマン」として送り込んでいます。
Foundingbaseは、特に教育・観光・農林業に対して取り組みをしています。
一番長く関わっている島根県津和野町では、津和野高校の広報から授業運営まで関わっていたり、町営塾を実施して教育現場の選択肢を作ったり、視察観光や「リアル脱出ゲーム」のようなエンターテイメント観光の実施、ジビエビジネスや林業の促進など、あらゆる角度から町の取り組みの構造を変化させています。
人と仕事を増やしていくことが町の成長。
現在の成果としては、町のプロモーションムービーのPVを増やしたり、農業従事者や高校入学者も着実に増やしています。
企業も自治体も課題解決ができる人材を求めています。その能力やポテンシャルを持つ若者を地方で経験を積ませる。
このストーリーを作っていくことによって町が変わっていく、というビジョンを持っているのがFoundingbaseであり、明るい社会を築くと信じて、佐々木さんと林さんは今に至ります。
今回は日野市の職員さんも参加していたこともあり、切実な質問も含め、かなり温度の高い議論が繰り広げられました。
人口減少が進んでいく日本がどう力強く、明るい社会を創っていくか。これはどの自治体でも同じだからこそ、考え合う必要があります。
PlanTではこういう機会を地元の人たちも含めて作っていけるようにしていければと感じた時間でした。
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PlanT lab. Vol.4 「若者と地方の可能性」
2016年2月21日実施