地域のものづくり企業の技術やサービス、想いを掘り起こし、
実際に行って・見て・触れて・学んでちょっと視点を変えて考えていくプロジェクト「メーカーズキャラバン」。
第3回目を2018年12月15日(土)に開催しました。
突然ですが、日野市は約10年前まで東京都で工業生産出荷額等が第1位のものづくり都市ということをご存知でしたか?実は昭和初期頃より豊かな立地を活かし、多くの企業がものづくりに励む東京都有数の「工業のまち」なんです。
知らなかった…!
そんな方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
メーカーズキャラバンは、「よく知らない・知る機会がないなら、目の前にある工場へ行ってみよう!」そんな思いつきから生まれたプロジェクト。実際に工場へ行き、リアルな現場に足を踏み入れることでしか得られない体験をもとに、学んだ技術や製品についての新しい活用方法等をみんなで考える共創の場です。
主に以下の3つのコンテンツをテーマにそって一日でぎゅっと展開します。
★技術や製品について深く学び、新しい活用法について考える機会「アイデアソン」
★技術や製品に触れる機会「ものづくりワークショップ」
★多くの方に技術や製品について知る機会「メーカーズギャラリー」
※アイデアソンとは「アイデア」と「マラソン」を掛け合わせた造語。新しいアイデアを生み出すために行われるイベントです。
第3回目となる今回は株式会社ミューテック35さんの自社ブランド製品「BLOSSO」をテーマに開催しました。
株式会社ミューテック35さんは「製造業はサービス業である」という信念で、使う人の側にたってものづくりを体現し続けながら金属加工事業を展開する日野市のものづくり企業です。リーマンショックなど、時代の潮流に左右される下請け体質に危機感をおぼえ、長年にわたり培ってきた技術と感性を融合させた企画力で自社製品の開発に取り組んでいます。
その中から生まれた「BLOSSO」は、ジュエリーのような輝きを持つ、精密板金製フラワー。
BLOSSOというブランド名はblossom(咲く)の最後のmを取ることで【咲き続ける】の意味を持たせた造語で、輝き続けるステンレス製の製品は大切な方との記念日など、いつまでも記憶に残しておきたい時をいつまでも共に暖めてくれる贈り物としても選ばれています。
▽「BLOSSO」について詳しくはこちらから!
そんなミューテック35さんと自社製品「BLOSSO」について、一日かけて行って・見て・学んで・触れて・考えました。
アツい怒涛の一日をレポートします!
【行く】【見る】【学ぶ】ここでしか得られない体験!いざ工場見学へ
アイデアソン参加者のみなさんはPlanTからマイクロバスに揺られて、日野市日野台にあるミューテック35さんの工場へ!
まずはすてきな応接室にて(机は手作りだそう!)企業や製品についてのレクチャーを受けます。技術や製品に対する誠実さと日本のものづくりをもっと広く知ってほしいという熱い想いを語っていただきました。参加者のみなさん、メモを取る手がとまりません。
続いて工場内へ。職人の方々の作業風景を間近で見学させていただきました。
金属を曲げる、切断する、切り取る、削る、つなぐ…
普段なかなか見ることのない金属加工の工程を丁寧にご案内いただくという貴重な機会。火花散るレーザー加工の様子や精密な職人技の数々に、思わず息を止めて見入ってしまいました。
ものづくりのプロフェッショナルを前に、こみあげてくる質問の数々はとどまることを知らず、見学時間を大幅に延長していただきました…!
参加者のみなさんも、しっかりと午後からのワークに繋がる手がかりをつかめたようです。
【考える】見たこと・学んだことを思い切りアイデアへ昇華させる3時間半!
今回のアイデアソンのお題は『「BLOSSO」の伝え方をデザインしよう』
株式会社ミューテクノさんの想いが詰まった「BLOSSO」というプロダクトと日本の高いものづくり技術について、現状の販路や発信方法とは異なる視点で国内にとどまらずより幅広く届ける方法を自由に考えていただきました。
ワークは様々な背景をもつ年代も職業もばらばらな濃いメンバーで構成された3チームに分かれて行います。
各々が感じたこと、考えたことは当然ばらばら。様々なワークシートを使って個人ワーク→共有→グループワークを繰り返し、面白いアイデアへと昇華させていきます。
きっと、ひとりだったら出せない。このメンバーだったから行き着いたアイデアが生まれていく様は圧巻です。
ワーク終盤は それぞれの特技を活かしながら一日の集大成、公開プレゼンテーションに向けてアイデアをまとめていきます。発表の構成を考える人、分かり易くアイデアをイラストへ落とし込んでいく人、どのようにすれば想いが伝えられるのか、キーワードを模索する人。全員一丸となってぎりぎりまで手や頭を動かします!
こちらは、会場内にあるメーカーズギャラリー。たくさんのBLOSSOを展示していただきました!ワーク中、行き詰った時の手に取って眺めたり、改めてBLOSSOや金属加工の魅力とは何かを実物に触れながら思考したり、様々な場面で活用されていました。
【触れる】技術を身近に感じる!ものづくりワークショップ
アイデアソンと同時に本来ハーバリウムとは植物標本として、お花や植物を専用オイルに浸すことで、みずみずしい状態で鑑賞できるようにしたもののこと。今回は、金属加工を行う際に発生する切子を植物に見立て、いままでにないオリジナルハーバリウムをつくります。
「切子でつくる!きらめくオリジナルハーバリウムワークショップ」と題して、金属加工を行う際に発生する「切子」を使用したオリジナルハーバリウムを手作りするワークショップも開催しました。
完成品はこのような感じ!小ぶりで可愛らしい手のひらサイズです。
金属を封じ込めるため、ライトアップすると反射してきらきらと輝く様子が特徴的でした!みなさん自分好みの切子をセレクトして、暮らしを彩るインテリアを手作りできた。
【共有する】最後までアイデアが進化し続ける公開プレゼンテーション
アイデアソン最後のプログラムは、ミューテック35のみなさんに向けて今日一日を使って完成させたアイデアを披露する「公開プレゼンテーション」
各チームのプレゼンテーション後は会場全体から様々な意見や感想が飛び交いました。掛け合いの中から生まれる新たなアイデアもあり、ただ成果を伝えるだけではない充実した時間となりました!
最後は今日一日を走り切った戦友との懇親会!
力いっぱい乾杯し、他のチームのメンバーとも積極的に交流を深めあいました!
こうして、朝から晩まで長丁場のメーカーズキャラバンvol.3は幕を閉じたのでした。
【触れる】イベント後にも早速新しいアクションが!BLOSSOワークショップをPlanTにて開催!
2019年3月2日(土)にメーカーズキャラバンがきっかけとなりPlanTにてミューテック35さんのものづくりワークショップが開催されました!メーカーズキャラバン当日に開催していたハーバリウムのワークショップと、BLOSSOを新しい試み「造形マキアート」というステンレスの花弁の上に自ら絵を描くオリジナルジュエリーが作れるワークショップの二本立て。当日は事務局メンバーも参加させていただき、実際に手で触れることでBLOSSOの繊細な造りと職人さんの技術を実感することができました。
なかなか金属という素材を使用したワークショップは身近にありませんでしたが、金属の特性を活かした楽しいプログラムに加えステンレスという素材やミューテック35さんの精密な技術を改めて学ぶことができ、時間を忘れて楽しむことができました。
ミューテック35のみなさま、講師の飯田先生、ありがとうございました!
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開催する度に、新しい発見・繋がりが生まれていくメーカーズキャラバン。
事務局一同、これからもすてきなものづくり企業さんと参加者のみなさんが繋がる場、
関わりを持ち続けていく仕組みについて模索し、大事に育てていきたいと思っています。
ご興味がある方、次回開催をお楽しみに!